騙し合い

月に一度、わけもなく不安が湧上る時期がある。いわゆるPMSというやつだ。今月は前後脈絡関係なく無理矢理不安になろうとしてネタを掘り出してくる脳みそのなりふり構わなさっぷりが凄かった。酔っぱらって寝ていたときに喉が渇いて夜中に目が覚めたのだが、ベッドのすぐ脇に刃物を構えた丸坊主の男が突っ立っていて心臓が止まるかと思った。もちろん夢現の錯覚である。そこに吊るしてあった洋服のシルエットが、暗がりの中で寝ぼけたド近眼の目にそう見えただけ。
ホルモンの関係で不安になるのが先決で理由は後付けなのは薄々感づいていたけども、それにしても今回の暴走っぷりには度肝を抜かれた。そうきたか、やるな、私の脳みそ。寝起きのぼんやりした頭で瞬時に状況を判断し挙句に変に感心してしまったので、不安になるどころの騒ぎではなかった。本当に寿命が縮むほど驚きはしたけども。脳みそ劇場は自分の目で実際にそう見てしまうのでこの上なくリアルだ。いつもはもう少し大人しく、仕事上でのアレを失敗してるんじゃないかとか、運転していてぶつけてしまったらどうしようとか、わりと現実的なネタでシームレスに普通から不安へ移行するのだが、今月はちょうど仕事の案件からも解放されていたし使えるネタが見つからなかったんだろう。
毎回これくらい暴走してくれれば却って面白いんだがな。ちなみに戸締りなど世間一般的な防犯対策はしている。