冬眠

眠い。風邪が治ってからこっち、仕事以外は箍が外れたように寝てばかりいる。休日は家から1歩も出ないどころか、目が覚めたら食事を摂ってまた眠くなり、トイレに起きたらそのまま布団に戻りを繰り返し、夜は夜で普通に早寝して実に1日20時間くらい寝ていた。そんなに眠れるものかと思うが、一度寝始めたら止まらなくなり、平日も仕事しながら眠気を感じつつ動いているし、帰ったら食事を済ませて次の日の食糧をまとめて加工したらすぐに寝る。
なんだか不思議なもので動こうと思えば動けるのだ。仕事にも遊びにも支障はない。ただ目の前に布団があって横になれるなら、いつでも寝られるしいくらでも眠れる。「活動する」という意味では仕事も遊びも感覚的には隔てがなく、ただ淡々と必要な時間に起きて必要なだけ外にいて、帰ったら寝ている。
そんな日々だし調子が落ちているときは無暗に栄養価の高いものを食べても消化吸収しきれず疲弊するだけだという話もあるので、なるべく胃がもたれないものを食べるようにしていたら、お粥に嵌った。米から炊いてもときどきかき混ぜながら30分もぐつぐつ煮れば出来るし、ついでに有り物の魚の切り身を入れると美味しい。塩気は梅干しやしらす干し。
寝てばかりいたらやたら頭が痒い。毛穴から何か放出しているようだ。顔も痒い。特に鼻周りとこめかみのあたりがムズムズする。と思っていたら今度は首の後ろがチクチクしてきて、鼻から喉にかけての息の通り道が複雑に入り組んでいたのが突然ダイレクトに繋がったような感覚があり、深く深くため息をつく。
まだまだ眠い。まだ眠れる。いつかこの眠気が底をつくときがくるのだろうか。