ものを忘れるなど

年をとると頭の中の一定の部分が曖昧になっていく。記憶力はもともと弱いのだけど、本当にびっくりするくらい忘れる。2~3か月たつと仕事で何をやったか細かいところを思い出せない。あの申請は出したっけ。あの届出書類はやったんだっけ。あれどうしたっけ。聞かれてもぜんぜん覚えていないのでとにかく何でもデータを整理して残すことにしている。誰が何を言ったかなんてよっぽどじゃないと頭の片隅にも残っていない。
最近のパソコンやスマホは頭が良いので先回りしていろいろ便宜を図ってくれるところがある。それに救われることもある。文章を書くのにWindowsのテキストで下書きすることが多いのだが、書いたものを没にするのに文字を消すのではなくウィンドウごと閉じて全部なかったことにしたりしていた。そうしたらいつの間にか保存しないで終了しても次に開けばまた続きから始まるようになっていて驚いた。テキストエディタですらこれか。便利なこともあるのだろうが、こりゃ会社のパソコンでおいそれと過激な内容を書き散らすこともできないな。といってもよく見たら当然設定で変えられる仕様だったけど。いまも職場のパソコンで書いている。
前回書いた職場の原因物質の件だが、私の拒絶感が強すぎて何をやっても気に入らない状態になっており奴に関しての認知がバグる域に達しているので、その事を考えるのを止めた。これだけ忘れっぽいゆるゆるの脳みそなんだからできるだろ、と思ったらわりと本当にできた。気にしないことを決めてしまえば案外心穏やかでいられるものだな。これも年齢的に「どうでもいい範囲」が広がったお陰なんだろう。
相手は平気でまことしやかな嘘をついて噂を流しては被害者面するタイプなので、足元を掬われない方面にだけ気を付けておこう。あれなぁ、わざとやってるんだと思ってたら案外本人は本気なようにも見えてきてちょっとゾッとしたのもある。認知の歪み。誰にとっての現実かという命題があるが、ここまでありもしない虚構のもとにも成立するものなのか。それを目の当りにすると、誰それが嫌いだから何もかもが気に入らないなんてやってたらこれが地獄の一丁目なんじゃないかと思えてきたのだ。何事にもあまり強く囚われないように気を付けよう。