東海道から寄り道:江の島参詣

江戸の昔に大山詣りと称して男性の神・大山を参拝して藤沢宿で一泊し、次の日に女性の神様・江ノ島弁財天を参拝するのが流行ったんだそうな。富士山も人気はあったけど箱根を越えるのに通行手形が必要になるので、もっと近いところで手軽に小旅行ってんで物見遊山がてらぐるっとこの辺を回ったものらしい。自分の足で東海道を歩いてみると昔の人は物凄い健脚だったのがわかる。大山って伊勢原市の更に山奥だよね。しかもちょっとした山登り。江戸から大山→江の島がセットで、ついでに鎌倉、金沢八景に足を延ばして3~4日の手形の要らない小旅行? 私なら無理。むりむりむり。その行程なら10日くれ。
そんなわけでちょっと寄り道は江の島だけ、しかも電車で最寄りまで行って1日遊んで帰ってくることにした。

江の島に着いたらまずは腹ごしらえ。湘南に来たら生シラスを食べねばならんのでシラスとマグロとブリの三色丼。

江の島へ渡る橋の手前で名勝乃史跡 江ノ島の碑。

浮世絵だとこう。砂の道、島の近くに鳥居が見えるけど現在はその鳥居はない。

夏の物見遊山なので島に入ったら湘南ゴールドソフトを買い食いした。えっ、湘南ゴールドってビールじゃないの。

まずは江島神社。くそ暑い中、階段登りますよ。

辺津宮(へつみや)。下之宮ともいう。

八臂弁財天と裸弁財天・妙音弁財天を祀る奉安殿。入場料が必要です。

八坂神社。

龍神の像。

島の向こう側にある岩屋へ行きたかったので海沿いの下道へ入ったのだが、これが人が少なくて日影が涼しくて景色の良いいい道だった。

チェックポイント群猿奉賽像庚申塔
人気のない涼しい山道を抜けると幻のように観光向けの街並みが出現する。いやこっちがメイン通りから外れてただけだったけど。

イカと粒貝の串焼きを買い食い。なんでこういう買い食いって美味しいのかね。あとタコせんべいも食べたかったが長蛇の列だったので諦めた。

チェックポイント常夜灯。

ショートカットしたので中津宮を飛ばして奥津宮。

拝殿の天井に八方睨みの亀。

龍宮大神。

更に奥に進んで階段を降りる。まさに見晴亭。

階段の途中に稚児が淵の石碑群。

わあい、海だ。

どどーん。この写真を撮った直後にライフガードのおねぇさんに「あのー、もう少し離れてくださーい」と注意された。はい、すいません。そういや手すりのない岩場に入り込めるようになっている観光地は珍しいのではなかろうか。人を雇って安全を確保しているのかな。

岩屋に至る道はこんなガッチリした橋が整備されているし、都会に隣接した老舗観光地の底力を感じる。

ちなみに浮世絵だとこう。

500円払って第一岩屋に入る。富士の氷穴と繋がってるとかなんとかいう伝説があるらしい。こっちは海の浸食であっちは噴火の際にガスが抜けた跡だっけ。

一度岩屋を抜けてまた外の橋の上を歩いて第二岩屋へ。

昔の人はこんなところを歩いて参拝したのかね。普通に命がけでは。

狭い通路に人が多くてなかなかうまいこと写真が撮れない中、頑張った1枚である。

第二岩屋には龍神様がいて、拍手をすると応えてくれる。

岩屋を出て来た道を戻る階段の途中で足の裏が攣り始めた。む、これは夏の現場で攣るのと同じパターンで水分不足だな、と言いつつ山ふたつ。
ひぃひぃ言いながら階段を登り切ってやっと自販機に辿り着き、麦茶を買ってサムエル・コッキング苑の前でひと休みした。

ついでなのでサムエル・コッキング苑にも入ってみた。てか、リュウゼツランの花芯がたってる? あの数十年に一度しか咲かないやつ? ニュースを見ないので知らんかったけどこれが見られたのは幸運だったのかな。

1882年に作られた温室の遺構。雰囲気がいい。
暑さと歩き過ぎでいい加減に疲れたのでだらだらと帰り道を歩いて、ちょっと癒しを求めて海のほうへ出たら、波が左右から寄せる不思議な砂浜になっていた。島を回り込んだ波なんだろうけどずいぶん浅い‥‥と思ったらこれはアレか、干潮の時に本土と江の島が地続きになるトンボロのところか。今回はタイミングが合わなかったけど、あれも渡ってみたかったんだよなー。

そんなこんなで汗と疲労でドロドロになりつつ夏の行楽を満喫したのだった。来週からは地獄の夏現場が始まるよ。