イラっときたので肉の塊を焼いてやった。
どうせならオマエの肉を焼いてやりたい。赫く熾した焼き鏝でじゅうじゅうと烙印を押してやりたい。
傷口に塩を塗りこみ、胡椒をまぶし、仕上げにぴたりと刺激の強い葉をくっつけて、血脂の滴る塊肉をじっくりと時間をかけて炙る。しっかり中までヤキがまわるように。
硬い筋をごりごりと断ち切って、層になった脂を切り分ける。刃物になぞられた皿がキィと細い悲鳴をあげ、ギトギトに汚れた金属が蛍光灯の光を乱反射する。皿の中に溜まった液体が揺れる。
いい気なもんだよな。どんだけ逃げたって、それでも地球は回ってるってのによ。