日食というと日本食堂のようだが、日本で46年ぶりに見られる皆既日食なんだそうである。しかし生憎の曇天。
しかし46年ぶりなのか。子どもの頃に見たような気がするのだけど、私はいまいくつだっけ、と一瞬考えてしまった。そうではなくてあのとき見たあれは部分日食で皆既日食ではなかったのだろう。確かガラス片をろうそくの上にかざして煤をつけ、それを介して覗いた覚えがある。しかし実は煤ガラスでは強力な日光を防ぎきれず、目を傷めてしまうのだという。そうだったのか。子どもの頃というのはアホなので、無駄に平常時の太陽を肉眼で見るという挑戦もしたような覚えがある。目がチカチカするぅ、と言っては面白がっていた。いまなら専門家の方に怒られそうである。
してみると直接見てはいけないものが、誰憚ることなく遮るものとてない天空に毎日掛かっているわけだ。いつでもそこにいる。暖かさや光で強烈な気配も感じる。しかし見てはいけない。まるで神様だ。いや、神様なんだな。天照大神。
移動の途中、未練がましく曇り空を見上げたら、雲を透かして大きな三日月のようなものが見えた。薄い雲がちょうど眩しすぎる太陽光線を遮ってくれたようだ。グッジョブ。