久しぶりにビリー隊長のところに再入隊した。
筋肉痛になった。特に尻と太ももが。しかしそんなことは些末事で、1回やっただけで吃驚するほど頭と身体の調子がアガった。どこかでパチンとスイッチが入ったようだった。
ここ数年、なんかこう怠いというか身体が重いというか、暑くてもダメ、寒くてもダメ、食べてもエネルギーがもたず、そのくせどんどん太ってくるという状態だった。もちろんダイエットしても全然減らない。いろいろ考えて仕事が忙しくて抑うつ状態なのかなぁ、と思ってみたり、年齢的に代謝が落ちて体質も変わってきてるから仕方ないのかなぁ、と自分を納得させようとしていたのだが、ここにきて夕食を摂ると風呂に入ることすらできずにブラックアウトするようになった。いつも頭にもやがかかったようで時間があっても工作する気力どころか日記を書く気にもなれない。これヤバいよなぁ、疲れてんのかなぁ〜。
とはいえ、このままでは拙い。ただでさえキツい3K職種である。真冬に1日中野外にいて低体温症になりかけたこともある。体力をつけねば仕事中に倒れて死にかねない。
そんな危機感に駆られての再入隊だったのだが、小一時間ほど飛んだり跳ねたりして汗をかいただけで、急に目の前が明るく開けたように身体も頭もすぅっと楽になったのである。懐かしい元の自分に戻った感すらあった。大袈裟なことをいえば体感で『これが正しい』と判ってしまった。次の日に体重もストンと1kg以上落ちた。掛け違えていたボタンを直したような、噛み合わなかったギアががっちり決まって動き出したようなスッキリ具合。ははは、空が青い。
数年来の悩みは、なんのことはなく運動しただけで寛解したのであった。なんか似たようなことが前にもあったな。原因不明の背中の痛みが2か月も続いていたのに、ちょっと走ったらケロリと治ったことがあったっけ。だからそれからは通勤を朝晩1時間ずつの徒歩に変えてみたり、ジョギングは続かなかったけどもやるだけはやってみたりはしていたし、なにより現場に入れば1日2万歩前後は歩いているのだ。これで運動不足といわれても困るんだよな。
しかし御託はともかく、結果からいうと私のストレスを発散し身体の内部機構を円滑に動かすには、日常の延長のようなちょっとした運動ではまったく強度が足りていなかったわけだ。体質によって必要な運動量は違うとはいえ、四十路も過ぎてブートキャンプとは難儀な身体である。いっそのこと趣味で何かスポーツでも始めればいいんだろうが、仕事に波があるのと出不精が邪魔をして、ああ、面倒臭い。
ところで今回の事ですとんと実感したのだが、糖はこの先の燃料で、睡眠はそれまでの疲れを癒すものなのだな。どちらも(あんまり)溜めは効かない。
身体を動かせば脂質が分解されて血中に流れ出すが、これを燃料にするにも糖が必要になる。脂質から糖の代替としてケトン体が作られる機構はあるけども、そこまでもってくのはかなりキツい。まず血糖値が底を打つので脳が不安を覚えて精神的にやられる。これも運動を続けていると順化して楽になるらしいけど、それよりは果物でも食べて有酸素運動で筋肉の燃料として脂質を消費するほうがよっぽどいいわ。糖新生もあるしね。
私の場合だと1日当たりの基礎代謝が1,200kcal程度、仕事して2,000kcal以上必要になるが、全日の食事量をちむちむと積上げ計算してみたらだいたい1,600kcalだった。意外にも明らかなカロリー不足で、その中で圧倒的に足りなかったのが糖質である。体感的にもこれ以上糖質を制限したら頭が回らなくなって仕事に支障が出そうな気がする。糖質やらカロリーを抑える段階は既に終わっていて、いろいろ足りないせいで代謝がどんどん落ちていっているフェーズだったらしい。けっこう食べてるつもりだったんだけどな。
以上の事からも私の生活に足りないものは運動である。それが結論なのだった。しくしく‥‥。
参考:『栄養素の代謝と相互変換』 / 『簡単!栄養andカロリー計算』