中国料理 龍鳳

いつだったか忘れたがTwitterでフォローしている食道楽な方がちらっと呟いてらしたお店に、私の旨いものセンサーが反応したのである。余談だがこういう「ちょっと小耳にはさんだ」というような細かい情報を私の劣等な脳では覚えておけないので、スマホのグーグルマップにすかさず保存することにしている。文明の利器、メモの進化版。出先でいいお店を探すとなると、都会は選択肢がありすぎてどの店にも入りそびれるもしくは気心の知れたチェーン店で済ましてしまうあるあるを回避するのに役に立つ。もうね、クラウドスマホもすっかり外部記憶装置ですよ。電脳化して試験の時も呼び出せないかな。50歳目前で試験勉強するのツライ。
それはともかく、出先でちょっと飲み食いしようかということになったのでグーグルマップを開いて近くの行ってみたい店を探したらここだったのである。大人向けの広東料理になるのかな。確かスープが絶品だとか。
入ってみて頼んだ冷菜のピータンからしていつも食べてる安物とは次元が違った。

ピータンと南瓜のゼリーよせ

鼻に抜けるアンモニア臭がして微かに舌がピリピリする。本物はこうなのか。なるほどこれは癖になる。

豆苗とつぶ貝の炒め物

炒め物も優しい薄味なのだけど奥深い旨味が染みている。絶妙な火加減と相俟って奇跡のようなバランスである。何を言ってるのか自分でもよく分からなくなってきた。

豚肉と筍の煮込み

筍もおすすめだったので豚肉と筍の煮込みという、普段だったら中華屋さんでは頼まないようなメニューを選んでみると、豚のとろっとした旨味を纏った本当に新鮮な筍の爽やかなえぐみと甘みが舌に広がる。ぉお‥‥さすがあの人がおすすめされるだけある‥‥。

冬瓜のスープ

スープ! 絶対スープ頼む! と主張して頼んだ冬瓜のスープは、あっさりしているようでひとくちふたくちと飲むうちにどんどん止まらなくなる。プロが手間暇かけてとったスープの美味しさというのは筆舌に尽くしがたいものだな。

五目チャーハン

そして干し肉の入った五目チャーハンである。これとスープの相性が物凄く良くてもう口から美味しいしか出てこない。幸せ。

お値段も少々大人向けだったけどこれは気張ってリピートするわ。狙ったわけではないのに筍料理が有名なお店にたまたまそのシーズンのはしりの時期にするっと入れたのは幸運だったな。日頃の行いがふふふふん。Twitterで見かけた「できれば人には教えたくない」という意見も頷ける落ち着いた雰囲気のお店であった。