2週間緊急ダイエット

ストレスで食に走るタイプである。仕事が忙しくなると気晴らしを求めておやつを食べすぎたりドカ食いしたりして太る。大変な思いをするほど太る。頑張っていてもげっそりせずむしろプリプリと太っていくので誰にも同情してもらえない。そして無駄に丈夫で我慢強くて何時まででも元気に仕事しているので、時間数でガミガミ言われることはあっても心配はされない。たまに限界を超えると眩暈がしてきてコテッと倒れるので周りが慌てるのだ。

そうしてひと段落ついて暇になるとダイエットを始めるのがいつものパターンである。今回も2週間緊急ダイエットと銘打って朝晩の筋トレと通勤で1時間ずつ往復歩くのと食事はあすけんのゆるダイエットを始めた。何故2週間なのかというと会社行事でスーツを着なければならない予定があるからである。このままではスーツを買い直さねばならない。年に2回しか着ないのにそれはイヤだ。とにかく乗り切るぞ。

前にもウォーキングはやったことがあるのだが、全く効果が出なかった。今回は何日か歩いているうちにあちこちの筋肉が連動して動くのがわかってきた。いままで足先だけで歩いていたのか。小手先ならぬ足先。正確には膝から下。

尻の筋肉が固まっていてそこで連動制御が止まり、腹の筋肉までは使われずたいした運動になっていなかったようだ。本来は歩くとみぞおち辺りの筋肉まで連動するものなんだな。そうか、そのために尻が割れているのかという新たな発見があった。なるほど左右で違う動きをするんだな。面白がって右左右左と意識してずんずん歩いていたら筋肉のロックが解けたらしく尻ペタがスースーして異常に怠くなった。それとともにあちこちの使われてなかった筋肉がミキミキと軋みながら動き出したのだった。うごぉ。言葉にならない呻き声が出た。澄ました顔で歩いていたが、内心では脂汗を流しつつ新たな地平からの日の出を眺めたのだった。普段と違うフォームになったせいか、足の裏にマメができた。どんだけ衰えているのか。

例によって最初の1週間は体重がビタイチ動かず、うちの体重計は100g単位で計れるのだが本当に動かないのでそっちのほうがおかしくないかと思ったりもした。次の週には少し動いて500gのマイナス。それでも腹圧と重力に従順な柔らかさだった腹は筋肉トレの刺激によって引き攣り、なんとか手持ちのスーツに納まった。筋肉がついたわけでも贅肉が減ったわけでもない気がする。限界まで緩んでいた筋肉が刺激によって少し緊張したというのが正解だろう。組成を変えるにはこれを継続しなければならない。

継続。私の最も苦手とする言葉である。